ランディングページ(LP)を制作するにあたって、費用の相場やどれくらいの期間で作成できるのかなど、担当者としては把握しておきたい情報です。
ランディングページ(LP)の制作期間は、1ヵ月~2ヶ月。
費用については10~60万円以上と差が大きくなっています。
これだけ制作期間や金額に差がでるのは、制作する目的や依頼する範囲によって金額に変動があるからです。
そのため、費用相場や制作にかかる期間を知るためには、LP制作の目的や依頼範囲を明確にする必要があります。
本記事では
・制作にかかる費用
・制作を依頼してからの完成までの流れ
・依頼範囲別制作にかかる期間
といった、ランディングページ(LP)の制作に関する内容についてわかりやすく解説していきます。
制作にかかる費用
LP制作費用相場早見表
目的 | 相場 | 発注先 |
---|---|---|
とにかく格安なLPが必要 | 10万円以下 | フリーランス |
多少デザインにこだわったLPを作りたい | 10~30万円 | フリーランス 中小規模の制作会社 |
構成やコンテンツにもこだわってしっかりLPを制作したい | 30~60万円 | 中小規模の制作会社 |
LPを使ったWebマーケティングに本格的に取り組みたい | 60万円以上 | 中小規模の制作会社 大手制作会社 |
10万円以下のランディングページ制作
10万円以下のランディングページ制作をする場合には、フリーランスまたは個人で活動しているWeb制作会社に依頼します。
クラウドソーシングサービス等を利用することで、予算10万円以内で提案を受けることができます。
競合調査や構成案作成、ライティングは依頼主側で行うこととなります。デザインについてもテンプレートを活用し、制作されることが多いです。
また、この相場ではランディングページ公開後の運用や改善サポートは含まれていないため、文面や公開後の修正などは依頼主が自社で対応することとなります。
特徴
・戦略設定やLPの原稿は依頼側が用意
・LP公開後の改善サポートはほとんどない
・テンプレートのデザインを活用
こんな人にオススメ
・とにかくコストを抑えたい
・質にこだわらず、すぐにランディングページを公開したい
・公開後の運用や改善を自社で行うことができる
10~30万円のランディングページ制作
10万~30万円でのランディングページ制作はフリーランスや中小規模の制作会社に依頼した際の相場であり、最も一般的な費用となっています。
この予算では、構成案の作成からテンプレートを使用しないオリジナルのデザイン、コーディングまで依頼することができます。
ただ、多くの場合競合調査や戦略設計、原稿や素材の用意は依頼主側で用意することとなります。
また、公開後の修正や運用、改善については対応していないことがほとんどです。
自社で対応できず、外部依頼する場合には別途費用がかかります。
特徴
・戦略設定やLPの原稿は依頼側が用意
・LP公開後の、修正を柔軟に受け付けてもらえない場合がある
・デザインはオリジナル
こんな人にオススメ
・ターゲットに合わせたオリジナルデザインのランディングページを制作したい
・コンテンツの構成を提案してほしい
・公開後の運用や改善を自社で行うことができる
30~60万円のランディングページ制作
企画戦略の段階からプロにお願いし、コンバージョンにこだわったランディングページを作りたいという場合には30~60万円の予算が必要です。
中小規模のWeb制作会社の多くが、この費用相場でのランディングページ制作を提供しています。
この予算では、競合調査やライティング、キャッチコピーの作成や構成案の作成、デザインからコーディングまで、ランディングページ制作に必要な工程全てを任せることができます。
本格的なランディングページの制作が可能ではありますが、制作後の対応に関しては制作会社によって異なります。
費用に含まれている場合もあれば、オプションとして別途費用がかかる場合もあるので、見積もりや打ち合わせの段階で、公開後の修正やアフターフォロー等、どこまでが費用の範囲なのかを確認しておきましょう。
特徴
・戦略設定やLPの原稿も制作会社が準備
・LP公開後の修正も、一部可能な場合もある
・デザインはオリジナル
こんな人にオススメ
・成果にこだわったランディングページを制作したい
・顧客調査や競合調査といった戦略設計からプロに依頼したい
・他社との差別化を図りたい
60万円以上のランディングページ制作
60万円以上の価格帯は、ランディングページ制作では最も高い相場で、依頼先は中小規模または大手のWeb制作会社となります。
この予算では、ランディングページ制作に必要なすべての工程に加え、制作後の運用やLPOコンサルティングまで対応していることが多いです。
公開後の運用や改善を見据えた制作ができ、より大きな成果を追求することが可能になります。
60万円以上のランディングページ制作を提供しているWeb制作会社は、豊富な実績と、マーケティングや広告運用のノウハウがある場合が多いので、予算や目的に合わせて検討しましょう。
特徴
・戦略設定やLPの原稿も制作会社が準備
・LPO(LPの改善サポート)も見据えた制作が可能
こんな人にオススメ
・ランディングページ公開後の運用や改善までお願いしたい
・成果に徹底的にこだわりたい
・ノウハウや実績が豊富なWeb制作会社に任せたい
・ランディングページを使った本格的なWebマーケティングに取り組みたい
ここまで費用に差があるのはなぜか
制作会社の場合
このような価格の相違に影響を与えている原因は、ランディングページに実装する機能の違いであったり、その会社の仕事の仕方、つまりは「実施するタスクの量」です。
基本的なランディングページ制作の流れはこのような感じです。
・ヒアリング
・ワイヤーフレーム
・ビジュアルデザイン
・HTMLコーディング
・納品
この5つの工程の中でも、制作会社によって作業にかける時間が大きく変わるのです。
これは在籍している人の技術力・経験云々ではなく、その会社がランディングページ制作と向き合う姿勢で変わってきます。
また、お客様の方で予算が低く制作に時間をかけられない場合にも、同様のことが起こります。
高いランディングページはマーケティング調査・設計をしっかり行う
高いランディングページの場合、マーケティング調査とページ設計に2週間〜1ヶ月ほど費やして、しっかりと行います。
なぜなら、今の時代ランディングページを作るのは当たり前となっているので、作っただけでは競合サイトに負けてしまうからです。
そこで、マーケティング調査で、その業界やお客さんになるターゲットをしっかりと調査し、その会社が競合他社に勝てるようにホームページ設計をすることが重要になります。
安い制作会社では、このマーケティング調査とページ設計はほとんど行いません。行っていたとしても、数時間〜1日程度デザイナーが調べて参考にする程度でしょう。
高いランディングページは調査に基づいたライティングを行う
高いランディングページの場合は、お客さんの考えやサービス内容をしっかりとヒアリングし、マーケティング調査とページ設計を行った上で、ユーザーが必要とする文章をライティングします。
制作側でライティングするので、社内チェックでは誤字脱字がないかだけではなく、しっかり伝わりやすい内容か、SEOにも効果がある書き方がされているかなどを確認します。
安い制作会社の場合、ホームページの中身の文章はお客さんがライティングするか、もともとあるパンフレットなどの資料をそのまま流し込むことが多いです。
制作会社は、もらった文字を入れ込むだけなので誤字脱字はチェックしますが、伝わりやすいかなどはしっかりとチェックしません。
高いホームページはチェックにも時間をかける
高いホームページの場合、ホームページが出来上がって公開するまでのチェックにも2週間程度時間をかけます。
具体的には、以下のようなことをチェックします。
・誤字脱字がないか
・リンク先が正しいか
・どのデバイス(Windows・Mac・iPhone・Android)でもきれいに見えるか
このようなチェックがしっかりできていないと、顧客になりそうなユーザーを逃してしまったり、会社自体の信用が損なわれたりと、公開後にトラブルが発生する恐れがあります。
安い制作会社の場合は、チェックは1人でサクッと終わらせることが多いので、公開後にミスが発生する場合があります。
また、修正に別途費用がかかる場合もあります。
複数人でしっかりとチェックを行っていても、ミスが完璧になくなるわけではありませんが、チェック時間も見積もりに入れておくことで、そういったミスをゼロに近づけることができます。
個人・フリーランスの場合
これまでに説明した内容に加えて、ランディングページ作成を依頼できる「個人」には様々なタイプがあり、費用相場にも幅があります。
それぞれのタイプについて考える上で、主に下記の2つの軸を念頭に置くと整理がしやすいでしょう。
・スキルの高さ、実績の豊富さ
・専業か兼業(会社員の副業)か
スキルが高く実績が豊富なフリーランスWebクリエイター
すでにホームページ作成の分野で豊富な経験や高いスキルを獲得しており、実際に様々なクライアントのホームページをデザイン・実装した実績があるフリーランスのデザイナー・コーダーです。
このような個人は大手のホームページ制作会社と同等の成果物を提供する能力があるため、費用相場も個人としては高い傾向があります。
優秀な副業Webクリエイター
会社に勤めながら副業でホームページ作成を請け負っている個人のうち、スキルや実績が豊富なタイプです。
本業の会社の中では大手クライアントの案件なども一線でバリバリこなしながら、平日の退勤後や休日の時間を使って副業を受けています。
スキルは高いですが、本業で安定した収入があることもあり、費用は専業のフリーランスよりは安い傾向があります。
駆け出しフリーランスWebクリエイター
会社から独立して専業フリーランスとしてホームページ制作を請け負っているタイプのうち、まだスキルや実績がそれほど豊富でないタイプです。
駆け出しであるがゆえに、「まずは実績を作りたいので価格は最低限で」というスタンスの方も珍しくないため費用が平均的にみて安い傾向にあります。
完成後の運用費
ランディングページ(LP)はリスティング広告やバナー広告などで「運用」することが基本です。
表示やクリックごとに、また運用を依頼する場合は月額で費用が発生します。
さらに運用結果を通してランディングページ(LP)の最適化(LPO)を図る場合には、ホームページ制作会社へ修正を依頼することになるため、ここでもまたコストがかかります。
検索結果に上位表示をさせて流入を狙うSEO対策であれば運用費用をかけずに集客できますが、ランディングページ(LP)とSEO対策は親和性が低いため、おすすめはできません。
そのため、ランディングページは広告で運用する必要があり、運用を続ける限り、コストが発生する点には留意しておきましょう。
ランディングページ(LP)制作を依頼する前に決めておくこと
ターゲットを明確にする
LPのデザイン構成のためには、まずターゲットを明確にする必要があります。
ターゲットとは、大まかにいうと性別と年齢層です。
売りたい商品によって、ターゲットが男性か女性かに分かれます。そして次に重要なのが年齢層です。
たとえば、ニキビケアが売りの化粧水を売りたいならターゲットは女性で、年齢層は10代~20代になるでしょう。
シワやシミ対策が売りの化粧水であれば、ターゲットは40代~50代の女性になります。
訴求ポイントを明確にする
性別と年齢層が明確になれば、そのターゲットに自社の商品の良さをLPでどのように訴求するかを考えます。
他社の類似商品を扱っているLPを見ることで、自社商品が優れているポイントが明確になるでしょう。
たとえば、同じニキビケアに力を入れている化粧水でも、自社商品の方が価格が安ければそれが訴求ポイントになります。
LPに訪れた人がベネフィットを感じるような情報を、訴求ポイントとして決めておきましょう。
制作を依頼した際の細かな流れ
LPの制作時間を把握するために、細かい制作全体流れを知っておきましょう。
LP制作は次のような流れで進められます。
・戦略設計(要件定義)
・構成作成
・コンテンツ作成
・デザイン作成
・コーディング
・テスト・修正
・公開
・運用
ここでは、各工程でかかる時間を解説します。
戦略設計(要件定義)
制作に入る前にLPの目的やターゲット選定、市場分析などを行い、LP制作の戦略を決めます。
戦略設計はLP施策の方向性を決める重要な工程なので、時間をかけて慎重に行う必要があります。
戦略設計などのコア業務は自社で行う場合が多いです。
一方でLPを利用したWebマーケティングに本格的に取り組む場合には、マーケティングの知見とノウハウが豊富なLP制作会社に依頼するのもよいでしょう。
その場合にはデータを用いた分析や考察など時間を要する業務が発生するため、制作時間も長くなります。
構成作成
戦略設計に基づいて必要や要素や何をどこに配置するのかなど、構成を決めていきます。
構成作成も本格的にWebマーケティングに取り組む場合にはCV(成約率)に導くための様々な工夫が求められるため、制作時間が長くなる工程です。
構成が決まったらワイヤーフレーム(画面設計)に落とし込みます。
コンテンツ作成
構成に沿って画像やテキスト、イラストなどのコンテンツを作成します。
コンテンツ作成はコンテンツの内容や量によって、最も制作時間に幅がある工程です。
必要になる素材が分かっている場合には余裕をもって、素材収集のスケジュールを立てておきましょう。
デザイン作成
ここまでの検討事項をもとに、デザインを作成します。
CV(成約率)を増加させるためにはデザインも重要です。
オリジナリティのあるデザインを求める場合には、デザインからプロに依頼するのもよいでしょう。
外注する場合は制作会社の規模やデザインの質によって、制作時間が変動します。
テンプレートを利用したデザインを選ぶと、制作時間を短縮できます。
コーディング
完成したデザインをWeb上で見られるようにコーディングします。
コーディングにはプログラミングなどの専門スキルが必要なので、コーディングのみプロに依頼するケースも多いです。
コーディングの作業量によって、制作時間が変動します。
公開・運用
完成したLPを公開し、運用していきます。
せっかく制作時間とコストをかけて作成したLPでも、集客の成果がでなければ意味がありません。
そのためLPは公開して終わりではなく、効果検証を行い、改善していくようにしましょう。
依頼範囲別制作にかかる期間
LP制作を外注する際の参考にしてください。
戦略設計・構成作成から依頼する場合
上流工程である、戦略設計や構成作成から依頼する場合の制作時間は、1ヵ月〜2ヵ月程度です。
LP制作の流れの中でとくに時間がかかるのがLPの戦略設計、構成作成、コンテンツ作成です。
特に戦略設計では、データを用いた分析などが発生するため、時間がかかります。
一方、でLPページの構成には、いくつかの王道パターンの構成テンプレートがあります。
構成テンプレートを利用した構成作成を依頼する場合は、1ヵ月程度で完成が見込めるでしょう。
コンテンツ作成から依頼する場合
コンテンツ作成から依頼する場合の制作時間は、コンテンツの内容や量によって異なります。
テキスト、画像、動画などの素材を自社で提供できる場合や、購入した素材を利用する場合は、コンテンツ作成にかかる時間は大幅に短縮できます。
一方で、素材を新しく撮影・作成する場合には別に制作時間が発生するので注意が必要です。
デザインから依頼する場合
素材提供を自社で行いデザインから依頼する場合の制作時間は、1週間~2週間程度です。
デザイン作成では、オーダーメイドで作成してもらうか、テンプレートを利用して作成してもらうかで、制作時間が変動します。
コーディングから依頼する場合
完成しているデザインを持ち込み、コーディングだけ依頼する場合の制作時間は3日~10日です。
コーディングにかかる時間は、コンテンツの量やLPの機能性によって変動します。
レスポンシブ対応や機能性の高いLPは、コーディングの作業量が増えるので、制作時間も長くなるでしょう。
ランディングページ(LP)制作にかかる費用と期間について まとめ
ランディングページ(LP)の特徴とLP制作の流れ、LP制作にかかる費用と時間の目安、外注する際に注意するポイントについてまとめました。
LPの制作時間や費用は依頼範囲やデザインのオリジナリティ、機能性などによって変動します。
制作時間を短縮するためには、依頼前の準備や確認作業での対応の早さが重要です。
しかし売れるLPにするためには、公開までの時間ではなく公開後の検証・修正にも注力しなければなりません。
せっかくLPが出来上がっても、突貫で作ったばかりに制作会社以外が修正できないLPでは『売れるLP』にするのは難しいでしょう。