ホームぺージをいざ作ろうと思っても、制作会社の数が多すぎてどこに依頼したら良いか分からないといった悩みをよく聞きます。
制作費用も決して安くはないので、会社選びに失敗したくはないですよね。
本記事では
・依頼する前に準備すること
・制作会社を選ぶ際の注目するべきポイント
・制作会社のそれぞれの特徴
といった、ホームページ制作を依頼する会社の選び方について詳しく解説していきます。
選ぶ前に必ず決めておくべきこと
まず制作会社を選ぶ前に、どういったホームページを制作したいかについて決めておく必要があります。
制作会社と言っても、会社によってそれぞれ特徴があります。
安さを売りにしていたり、ある業種に特化していたり、制作会社によって様々です。
ホームぺージ制作の目的によって、おすすめの制作会社は全く変わってくるため、まずはホームぺージを作る目的を明確にしなければいけません。
また方向性を定めておくことで、狙ったユーザーに適したサイトの構成を考え、不要な機能の実装に余計な出費を防ぐ目的もあります。
ホームページ制作の目的を定める
「ホームページを作る目的」という、いわば事業者であれば当たり前とされることについて、正しい理解をしておかなければ、せっかく高い費用を払ってホームページを制作(作り直し)しても意味はありません。
ただホームページを制作しただけでは、お金の無駄になってしまうかもしれないのです。
例えば、コーポレートサイト/ECサイト/商品LP(ランディングページの略)/求人サイト/既存顧客向けサイト/仕入れ先サイトなどがあるとして、全てを同じサイト構造の中に入れて同一デザインで構築するには当然無理がありますし、ユーザーの使いやすさの観点からしても最適とは言い難いでしょう。
その場合、ユーザーにとって利用しやすいように分けてホームページを構築することが望ましいと言えます。
ホームぺージを作る目的によって、サイトの構成やデザイン、ライティングが大きく変わります。
ホームページのターゲットを定める
ホームページを作る目的 & ターゲットを曖昧にすると成果が出にくいのでしっかりと準備しましょう。
「20代から60代の女性」ではターゲティングが出来ているとは言えません。
20代の女性をターゲットとするか、60代女性をターゲットにするかでは、デザインが大きく変わってきます。
ターゲットを決める方法として、もっとも手軽なのは、あなたのお店や会社のお客様になってくださっている方の中で、「こういう人をお客様としてもっと増やしたい!」 「こういう人にホームページを見てほしい!」と思うような人物を一人思い浮かべることです。
そして、その人物の年齢や家族構成、仕事や考え方などをメモに書き出してみてください。
ホームページの課題、改善したい点を明確に
目的にも関係しますが、課題や改善したい点は必ず洗い出すようにしましょう。
事前に洗い出しておくことで、進行途中であれやこれやと要望が増えてプロジェクトが錯綜することを防げます。
制作途中の方向変換は制作会社にとっても大きな負担になり、それまでに制作していた分の人件費も当然発生するので、余計な出費につながります。
また、制作後の振り返りとしても、事前に決めた課題や改善したい点が良くなっているのかを見ることで成果があったかどうかを確認することができます。
ホームページは作成して終わりではなく、アクセス解析でユーザーの動きを分析し、改修を重ねることで最も良い形に仕上がっていきます。
「新しくしたい」「古い」ということだけに留まらず、複数の視点から洗い出すようにしましょう。
アピールしたいポイントはなにか
ホームページで知ってほしい自社の商品・サービスの特徴や会社自体の強みはありますか?
ここをしっかりと整理して制作会社に伝えるだけで、上がってくる提案は良くなる可能性があります。
ホームページの掲載情報には優先順位があります。
スクロールして下に掲載されている情報ほど、ユーザーの離脱率が高くなるため、見られない可能性が高くなります。
自社の強み、アピールポイントは制作会社側でデザインを考える際に重要な判断基準となります。
納期はいつまでか
制作会社にとって、納期はとても大事なポイントになります。
同時にいくつもの制作を進行しているので、リソースの状況を見ながら制作可能かどうか検討しなければならないからです。
納期が短いと特急料金が発生してしまったり、急ぎの案件は細かい部分のチェックがどうしても行き届かなくなってしまい、公開早々メンテナンスの必要性がでてくるような事態になりかねません。
制作会社としても、クオリティを下げてしまうのは避けたいところです。
納期は許す限り余裕をもって設定することをおすすめします。
反対に、「納期は特にない」というのも実は制作会社側としては不安要素になります。
僕自身制作会社に勤めていた経験がありますが、多忙な業界のため、納期に余裕のある案件はどうしても後回しになりがちです。
予算はいくらまでか
予算も、できるだけ具体的に設定しましょう。
基本的にホームページは「オーダーメイド」で制作するものがほとんど。
そのためホームページ制作会社は、クライアントが提示する予算の上限に近い金額で見積書を出してきます。
こちらの予算を提示し、その中で最大限対応できる提案内容にしてもらうのがポイントです。
可能であればRFP(提案依頼書)を用意する
RFP(Request for Proposal)とは、Web制作会社やシステム開発会社に制作側としての提案をしてもらう前に、発注する側が作る「提案依頼書」となる資料です。
発注側が資料をまとめなければならないことに疑問を感じるかたもいるかもしれませんが、Webサイトやシステム制作の要件は細部にわたるので、ホームページ制作の目的に沿って必要な機能や要件をあらかじめ決定しておくことが望ましいです。
RFPを作らずに曖昧な希望を口頭で伝えた結果、見当違いな提案に時間を費やすことは、制作・発注の両者にとって非効率的です。
制作側の提案の正確さや効率を上げるため、そしてプロジェクトが進行してからの行き違いを防ぐためにも、まず、発注者側がRFP資料をまとめることが大切なのです。
また、RFPは、複数のWeb制作会社に相見積もりを取る際にも役立ちます。
同じ条件を明確に提示することで相場をつかむことができ、各社の提案や見積書の比較が容易になります。
RFPには下記のような項目が含まれます。
・ホームページ制作の目的
・達成したい数値目標(KPI)
・自社のセールスポイントと弱み
・現行のWebサイトの課題
・ターゲット(ペルソナ)設定
・納期
・必要なシステム、機能要件
・提出物(企画書、見積もり、構成案) など
このような項目に沿ってRFPを作成することで、Web制作会社への依頼内容が整理でき、社内での意識統一が図れます。
また、制作会社への伝達事項の抜けや双方の認識のズレを防ぐことができます。
制作会社を選ぶ基準
対面で打ち合わせが可能か
よく「訪問で打ち合わせができるか」という項目が挙げられますが、最近ではリモートワークの人も増え、直接会社に訪問するだけではなくなってくると予想されます。
ですが、そうした変化の中でWeb会議や対面での打ち合わせが可能かは必ず注目しておくほうがよいでしょう。
最初からメールでのやり取りで終わりそうな場合は要注意です。
コミュニケーションに問題ないか
まずは担当者との相性をチェックしましょう。
担当者は、サイトの公開までの長い付き合いになります。
大きなプロジェクトであれば数ヶ月間一緒に仕事をすることも。
担当者自身の経験はもちろんのこと、クライアント(あなた)のレベルに合わせて説明してくれるかチェックしましょう。
専門用語を並べて「それっぽく」話をするのは意外と簡単です。
優秀な担当者は、クライアントもしっかり理解できるレベルで丁寧に説明してくれます。
同業他社の実績があるか
ホームページ制作を行っている会社であれば、ポートフォリオ(これまでの実績を掲載しているサイト)が必ずあります。
その作品集を見て、これまでどのような案件や作品を制作したのかを見ることで、相手の技術や知識を知ることができます。
クライアント側の依頼したいものに近い作品を持っていれば、イメージの共有も効率的に行えるため重要です。
同業種の制作経験があると、その業界自体の説明をイチからする必要がなかったり、セオリーなども踏まえて制作してもらえるのでやり取りがスムーズになる可能性が高いです。
運用のフォローもしっかりしているか
サイトは作ったとの運用が重要であり、制作後にアクセス解析を行い、改善・修正を繰り返すことにより大きな成果を出すことが可能になっていきます。
基本的にはこういった運用なども含めて依頼するのが一般的です。
公開後もそうした保守運用をしてくれる制作会社かどうかは、大事なポイントになります。
制作費用の提示が明確であるか
最後は、見積書と提案書をチェックします。
見積もりの金額やスケジュールはもちろん、提案内容が非常に重要になります。
あなたの目的や課題をしっかり理解した上で、提案してくれているか確認しましょう。
あなたの会社のことを理解してくれている会社ほど、より具体的でイメージしやすい提案内容になっているはずです。
また一般的な相場からかけ離れている場合は注意が必要です。
会社の得意分野から選ぶ
安さが売りの制作会社
“格安料金”を売りとしている制作会社は、ホームページの基本機能のみを備えたシンプルなホームページ作成を得意としています。
制作コストを抑えるため、デザインテンプレートを使用する傾向にあります。
決められたテンプレートからデザインを選ぶ場合は、オリジナル性の高いホームページの実現がやや難しくなります。
ただ、豊富なテンプレートの種類やデザインを用意しているホームページ制作会社を選ぶことで、費用を抑えながらも、イメージに近いホームページを制作することが可能です。
SEOに強い制作会社
SEOに強いホームページ制作会社は、Googleなどの検索エンジンから高評価を得られやすいサイト構造のホームページを作ることができます。
検索結果で上位表示を目指すためには、ホームページのサイト構造やユーザビリティーも関係してくるため、SEO施策に精通した制作会社選びが重要です。
特に、ECサイトやプロモーションサイトなどは、より多くの人に見てもらうことが必要となるため、効果的な利益創出につながる上位表示は欠かせません。
デザインに強い制作会社
デザインに強い制作会社は、インパクトを重視したWebデザインや、何度でも訪問したくなるようなファン獲得のために”ターゲットを定めて作り込む”、デザイン重視のホームページ作成を得意としています。
「ユーザー体験(UX)」と呼ばれる要素がWebサイト作りで注目されているように、いかにユーザー目線で作成されたホームページかどうかが、Webサイトのファン獲得数を左右します。
UXは、ユーザーがページの利用や商品・サービスから得られる体験全般を指しますが、高いデザイン性や見やすいフォント、サイトの使いやすさなども重要な構成要素です。
長く愛され続けるホームページであるためには、「UX」を意識したホームページ制作が欠かせません。
マーケティングが得意な制作会社
マーケティングが得意な制作会社は、広告やプロモーション、価格戦略などの商品・サービスが”売れる仕組み”に重きを置いたホームページ制作を得意としています。
「ホームページ制作のスキル」と「マーケティングのノウハウ」の両方を持ち合わせているため、Webサイト運営での達成目標や目的を踏まえた構成・導線設置を行い、”勝ちにいく戦略”をホームページ制作の段階から突き詰めていく事が可能です。
また、ホームページ制作が完了した後、Webマーケティングのコンサルをそのままサービスとして受けられる制作会社もあります。
総合力に強みがある制作会社
デザイン、システムなどバランスの取れた制作会社も中にはあります。
・設計
・デザイン
・コーディング(更新性の高い構築)
・SEO
・システム
など、ホームページ制作で考慮しなければいけない点はさまざまですが、その基本を押さえている会社は業界業種に関係なく、一定のクオリティを保って納品してもらえることが期待できます。
こうした総合力が高い制作会社では、一定の品質を保てるようノウハウが蓄積・仕組み化されていることが多いです。
選ぶ際の注意点
サイトにデザイン性は必ずしも重要な要素ではない
これまでお伝えした通り、ただ見た目が良いホームページでは、実際に使用してみると使いづらかったり、集客を念頭に置いていなかったりすることがあります。
デザインの良さを売りにしたいのであればそれでも良いかもしれませんが、一般的に使いづらいサイトというのはユーザーの離脱率も高く、知ってもらうきっかけを逃してしまいます。
堅実なデザインでも、設計がしっかりしていて使いやすいホームページはあります。
普通のホームページに見えて、しっかりユーザーを集めてCV(見込み顧客が、Webサイトで目標としている行動を起こし、顧客へ転換すること)へ誘導できているホームページはあります。
デザインも重要な要素ですが、当初の目的を達成できているかも見極めて選ぶようにしましょう。
金額だけで評価しない
依頼先を見積金額だけで判断してしまうのは危険です。
安いホームページ制作会社には必ず理由があります。
安易に格安の制作会社を選んでしまうと
・全く成果のでないホームページが出来てしまった
・運用時点の要望に答えてもらえず、改善ができなくなってしまった
ということがあるので注意が必要です。
規模の大きさ
大手・中小・フリーランスなど制作会社の規模をバラバラにして提案依頼を行う会社があります。
しかし、会社の規模は実はそれほど重要ではありません。
中小規模の制作会社でも、大手制作会社以上の品質を出せる制作会社は多く存在します。
逆に大手だからと言って、品質が高い・安定しているというわけではありません。
しっかりと予算と納期を伝えていれば、それに沿った提案になるはずです。
ホームページのリース契約はやめましょう
まず最初に、ホームページのリース契約(ビジネスクレジットを含む)はやめましょう。(経済産業省・中小企業庁も注意を促しています)
ホームページは無形であり、リース契約はできません。
しかし更新ソフトDVDやパソコン本体に5年程度(60回払い)のリースをかける形で「初期費用無料のホームページ」を販売する業者があります。
販売業者にはクレジット会社から前金で全額(180万円~300万円ほど)が入金されるため、途中解約できないなど販売側に強いメリットがある取引形態です。
途中で辞めたくても、クレジット会社や信販会社への債務だけが何年も残ることになります。
最初にお金をかけたくない、初期制作費用を一括で払うのは避けたいという場合は、ホームページリースを選ぶのではなく(間に信販会社を入れるのではなく)、制作会社に制作費の分割払いの相談をしたほうがまだ良いと思います。
ホームページ制作会社に依頼内容を上手に伝えるコツ
制作会社に期待通りの提案をしてもらうためには、こちらの要望を上手に伝えることが大切です。
ホームページのデザインや掲載する写真のイメージは、可能な限り具体的に伝えることで、認識の齟齬を減らせます。
他にも、搭載したい機能やデータベース化する情報などがあれば、概要を資料にまとめておくことをおすすめします。
具体的な資料が多いほど、制作会社も提案を出しやすくなります。
費用を抑えるためにはフリーランスも検討してみる
フリーランスにホームページ制作を依頼する場合、基本的には価格を安く抑えられることがメリットです。
Web制作会社に依頼をすると小規模なサイトで10万円、大規模なものになると200万円もの余分な人件費がかかってしまいます。
制作会社の場合はディレクターやプログラマー、コーダーやデザイナーなど、さまざまな職種が関わっているため、企業規模の大きさに比例して制作費用も高額になるのです。
ホームページ制作を依頼する会社の選び方 まとめ
多くの顧客が目にするホームページは会社の大切なパートナーです。
会社のイメージをより良く伝えるために、目指すゴールを共有し、会社の希望を上手に汲み取れるホームページ制作会社を選ぶことが重要です。
ホームページ制作は業者選びによって、その後の成果が大きく左右されます。
優良な業者をしっかり選んで、納得のいくホームぺージを作っていきましょう。