ホームページの制作費用ってなぜ高いんだろうって思ったことありませんか?
ホームページ制作の外注を考えている方であれば、一度はインターネットで調べたことがあるはずです。
制作費用をある程度公開している会社は多いですが、30万~であったり、100万・300万以上であったりと想像より高いことにビックリされたと思います。
本記事では
・ホームぺージ制作にかかる費用
・価格に差が出る理由
・高いホームぺージと安いホームぺージのどちらが良いのか
といった、ホームぺージ制作に費用に関する内容について詳しく解説していきます。
ホームぺージ制作にかかる費用
高い理由を説明していく前に、まずはホームぺージ制作にかかる費用の内訳について解説していきます。
企画費用
まずは、ホームページの企画費用がかかります。
企画はサイトのコンセプトを明らかにし、全体の方向性を決めたり、今までの問題点を洗い出して分析したりする非常に重要な工程です。
制作の土台にあたる部分なので、ここをおろそかにしてしまうと全体のクオリティが落ち、せっかく見栄えのいいサイトを作ってもうまくアクセスが集まらず、想定した結果が出ないこともあります。
ディレクション費用
ディレクションとは、いわゆる進行管理です。
進行管理役としてwebディレクターを置きます。
ディレクターは企画に合わせて納期に間に合うよう適切に人員をアサインし、工程を管理してトラブルに対処するのが仕事です。
クライアントとの調整や要望を聞き出すためのヒアリングも請け負います。
ディレクション費用は、全体の10~30%が相場といわれていますが企画費とまとめての見積もりになるケースもあります。
費用全体に占める割合が大きくなりがちなのでつい削減したくなりますが、企画費用と同じくサイト全体の出来を左右する重要な部分であるため、できるだけ削らない方がよいでしょう。
逆に、ディレクション費用が安い制作会社だと、あまりディレクションや企画設計に力を入れてくれない可能性もあります。
ホームページを持つことで、集客や販売などなんらかの目標を達成したいなら、ディレクションを重視する会社を選ぶのも大切です。
サイト設計費用
具体的に、トップページ以下の階層構造やワイヤーフレームを決めるのがサイト設計です。
サイト設定費用は、企画やディレクション費に含まれる場合も、別に設定される場合もあります。
また、安い制作会社だと費用をとらない代わり制作会社側では決定せず、クライアント側が決めることもあります。
サイトマップやワイヤーフレームを作る関係上、ページ数が多ければ多いほど、設計費用も高めになる傾向です。
予算の目安は5万円から20万円です。
SEO対策費用
アクセスを効率よく集めるためには、SEO対策費用が必要です。
今までのアクセスを分析して戦略を練るコンサルティング費や、実際に内部・外部からSEO対策をするための費用がかかります。
SEO対策は対策キーワードや、ホームページの規模によってもかなり金額に幅のある項目です。
簡単なものなら10万円程度で済みますが、大規模サイトになると100万円以上かかるなど、10倍以上の差が生じます。
また、SEO対策は1回だけすればよいわけではなく、ホームページを管理していく上で長期間且つ地道な調整が必要です。
ホームページ制作費としても費用は必要ですが、その後の管理・運営段階になっても一定のコストが継続的にかかると思った方がよいでしょう。
デザイン費用
制作費用の中でも幅があり、柔軟な変更ができるのがデザイン費用です。
できるだけ安くするなら既存のテンプレートを使って作る方法がありますが、一般的に中小企業のサイトでは、デザイナーに依頼してオリジナルデザインを作ります。
具体的には、最低限トップページと下位ページのデザイン料が必要です。
真っ先にユーザーの目に止まるトップページは高価で、5~15万円を目安に設定されます。
下位ページはその半額が相場です。
また、ロゴやバナー、イラスト、あるいはサイトと揃えて制作するパンフレットなどの印刷物がある場合は、そのデザイン費も追加されます。
デザイン費はデザイナーによって額がまったく異なり、同じ構成でも有名デザイナーに依頼すればその分価格も跳ね上がるでしょう。
コーディング費用
用意されたデザインや写真、文章に合わせて、実際にhtmlやCSS、JavaScriptなどのコーディングを行う費用が必要です。
また、スマホとPC両方の閲覧に対応する、レスポンシブデザインにする場合は追加で費用がかかるでしょう。
費用は、トップページが1~3万円、下位ページが8,000円~2万円が目安です。
レスポンシブデザインにすると、通常のホームページを作る1.5~2倍の金額がかかります。
ただし、近年はスマホ利用者がほとんどのため、最初からレスポンシブデザインで作る会社もあります。
コーディング費用はサイトを作り込めば作り込むほどコストがかかるのが特徴です。
特に、単純なテキストと画像のみのサイトではなくJavaScriptを駆使した動きのあるサイトを作ると、作り込みに応じて費用が際限なく増えていきます。
コンテンツ費用
ホームページに載せる文章や画像など、なんらかのコンテンツを作成する費用がかかります。
例えば「社長挨拶」のように、外注せず社内で用意できるものもありますが、文章としての見栄えや、SEO対策を意識するのであれば外注した方が確実です。
ライターに委託する場合も、SEO対策を意識した文章を書けるライターと、そうでないライターでは単価が異なるため費用に差が出ます。
どんなコンテンツをどのくらい用意するのかはサイトによって変わるため、1ページ2~3万円で済む場合もあれば、1ページに20万円以上かかる場合もあります。
取材・撮影費用
写真や動画を用意する場合やインタビュー記事を載せる場合は、撮影代行費や取材費などが必要です。
こちらもデザイン費やコンテンツ費と同様に、求めるクオリティや手がける人物次第でかなり費用に幅があります。
また、撮影スタジオを用意したり、空撮など大規模な準備が必要だったりする場合は、さらに費用が上乗せされます。
自社の製品や設備などをその場で撮影するだけの場合でも、純粋な作業費以外にカメラマンの往復の移動費が発生し、遠方になるほど高額になります。
1日に撮影できる数には限りがあるので、撮影対象が多いほど移動費を含む費用が増えやすいでしょう。
撮影した写真を編集・加工する場合も、内容次第で別途費用がかかります。
撮影費の大まかな目安は1日あたり3~8万円です。
システム費用
資料請求フォームの設置、予約システムの導入などプログラミングが必要な機能をホームページに持たせたい場合、システム費がかかります。
お問い合わせフォームのように、簡単でどこでも見かける内容であれば2~3万円と最低限の費用で済みますが、オリジナルシステムの開発やもともとあるシステムのカスタマイズを行う場合、高額になる可能性もあるので注意しましょう。
例えば大規模ECサイトの独自システム開発では、数千万円の費用がかかることもあるほどです。
一般的なCMS環境構築や予約システム導入などであれば、20万~数百万円を目安としましょう。
また、SSL導入やリダイレクトの設定など、細かい設定に関しては2~5万円でできます。
制作費用はなぜ高いのか
ここまで、制作に関する費用についてご紹介してきました。
ここからは、制作を依頼してから、どのようにホームぺージが出来上がっていくのかとと併せて、費用が高くなってしまう理由を説明していきます。
ホームページ制作を依頼してから、完成までは次のような工程があります。
・ヒアリング(お客様からの要望を聞き、サイトに反映させる)
・ご提案・お見積書
・契約書締結
・【制作業務開始】構成ラフ(設計)(サイトの大まかな構成)
・デザイン
・コーディング
・更新システムの連携(WordPressなど)
・デバック(意図した動作になっているかなどの確認)
・公開・納品(ホームぺージが見れる状態)
制作会社では1つの案件に対して複数人で取り組みます。
例えば大手の制作会社の場合、以下のように複数人が一つの案件に携わります。
・お客様からの要望をヒアリングし、サイトの構成や制作管理を務めるディレクター
・ホームページのデザイン制作にあたるデザイナー
・ホームページの内容を、コンピューターの言語で記述するコーダー
・お知らせやブログの機能を実装するエンジニア
・ホームページの規模が大きければ、複数のデザイナーやエンジニアが制作にあたります
各工程は、それぞれ専任のスタッフが担当します。
そして各担当者を統括管理するディレクターもいます。
それぞれの工程の専門家が制作にあたり、それを別の視点でチェックし管理する体制があるため、質の高いホームページを作成することができるのです。
しかし携わる人が増えれば、人件費も必要です。
細かい修正が発生した場合も、修正内容を伝えるディレクター、修正を行うデザイナーやコーダー等、複数の人員が動くことになるため、その費用や日数がかかります。
さらに、スタッフが業務にあたるためのオフィスの賃料や機器の費用などの諸経費も、製作費に含まれます。
そのため制作会社に依頼した場合は、製作費が高額になりがちです。
個人やフリーランスの場合も、ホームページ制作にかかる作業の工数は制作会社と何ら変わりはありません。
しかし制作会社が複数の担当者がそれぞれ業務を分担しているのに対して、個人やフリーランスの場合はほぼ1人で全ての作業工程を行います。
また制作会社と違い、大きなオフィスを構える必要もないため人件費や諸経費が不要です。
そのため個人やフリーランスは、制作会社より制作費用の価格が低い傾向にあります。
制作会社によって価格に差がでるのはなぜ
このような価格の相違に影響を与えている原因は、ホームぺージに実装する機能の違いであったり、その会社の仕事の仕方、つまりは「実施するタスクの量」です。
基本的なホームぺージ制作の流れはこのような感じです。
・ヒアリング
・ワイヤーフレーム
・ビジュアルデザイン
・HTMLコーディング
・納品
この5つの工程の中でも、制作会社によって作業にかける時間が大きく変わるのです。
これは在籍している人の技術力・経験云々ではなく、その会社がホームぺージ制作と向き合う姿勢で変わってきます。
また、お客様の方で予算が低く制作に時間をかけられない場合にも、同様のことが起こります。
高いホームページはページ数が多くなる
高いホームページは、安いホームページに比べるとページ数が多くなることが多いです。具体的には20〜30ページ程度になります。
安いホームページの場合は、一般的なホームページにあるような最低限のページのみ制作するので8~10ページ程度に収まります。
ただ、ページ数が多ければいいから増やしていると言うより、ホームページで成果を出すために必要な情報を入れていった結果、ページ数が多くなります。
高いホームページはマーケティング調査・設計をしっかり行う
高いホームページの場合、マーケティング調査とホームページ設計に2週間〜1ヶ月ほど費やして、しっかりと行います。
なぜなら、今の時代ホームページを作るのは当たり前となっているので、作っただけでは競合サイトに負けてしまうからです。
そこで、マーケティング調査で、その業界やお客さんになるターゲットをしっかりと調査し、その会社が競合他社に勝てるようにホームページ設計をすることが重要になります。
安いホームページ制作会社では、このマーケティング調査とホームページ設計はほとんど行いません。行っていたとしても、数時間〜1日程度デザイナーが調べて参考にする程度でしょう。
高いホームページは調査に基づいたライティングを行う
高いホームページの場合は、お客さんの考えやサービス内容をしっかりとヒアリングし、マーケティング調査とホームページ設計を行った上で、ユーザーが必要とする文章をライティングします。
制作側でライティングするので、社内チェックでは誤字脱字がないかだけではなく、しっかり伝わりやすい内容か、SEOにも効果がある書き方がされているかなどを確認します。
安いホームページ制作の場合、ホームページの中身の文章はお客さんがライティングするか、もともとあるパンフレットなどの資料をそのままホームページに流し込むことが多いです。
制作会社は、もらった文字を入れ込むだけなので誤字脱字はチェックしますが、伝わりやすいかなどはしっかりとチェックしません。
高いホームページはチェックにも時間をかける
高いホームページの場合、ホームページが出来上がって公開するまでのチェックにも2週間程度時間をかけます。
具体的には、以下のようなことをチェックします。
・誤字脱字がないか
・リンク先が正しいか
・どのデバイス(Windows・Mac・iPhone・Android)でもきれいに見えるか
このようなチェックがしっかりできていないと、顧客になりそうなユーザーを逃してしまったり、会社自体の信用が損なわれたりと、公開後にトラブルが発生する恐れがあります。
安いホームページの場合は、チェックは1人でサクッと終わらせることが多いので、公開後にミスが発生する場合があります。
また、修正に別途費用がかかる場合もあります。
複数人でしっかりとチェックを行っていても、ミスが完璧になくなるわけではありませんが、チェック時間も見積もりに入れておくことで、そういったミスをゼロに近づけることができます。
高いか安いどちらが良いのか
依頼するなら高いか安いかどちがが良いのか、依頼する際に迷ってしまう方もいるかもしれません。
そういった場合は、まずホームぺージを制作する目的を見直してみることをおすすめします。
ホームぺージ制作では、求めるものによって金額に差が出ます。
・サイトの中に入力した項目から見積金額を自動で算出してくれるような機能を実装したい
・SEOに強いホームぺージを制作し、今後の運用で利益を底上げしてくれるようなサイトを作りたい
・デザイン性に特化した、他社と差別化の可能な動きのあるサイトを作りたい
などといった、ホームぺージに求めるものが多ければ多いほど金額はあがっていきます。
逆に言えば、先ほど紹介した機能のどれも不必要なので、ごく普通の一般的なホームページを制作しておきたい場合はそれだけ安く制作することもできます。
費用を安く抑えるためにできること
フリーランスに依頼する
フリーランスにホームページ制作を依頼する場合、基本的には価格を安く抑えられることがメリットです。
Web制作会社に依頼をすると小規模なサイトで10万円、大規模なものになると200万円もの余分な人件費がかかってしまいます。
制作会社の場合はディレクターやプログラマー、コーダーやデザイナーなど、さまざまな職種が関わっているため、企業規模の大きさに比例して制作費用も高額になるのです。
テーマ・テンプレートを使用する
ホームページ制作では、テンプレートを利用するかオリジナルデザインを作成するかで費用に差が生じます。
テンプレートを利用する場合は依頼者の要望に合わせて既存のものをカスタマイズするだけであるため、作業量も少なく金銭的・時間的なコストも低く抑えることが可能です。
テンプレートのためどうしても他社と似たようなデザインにはなってしまいますが、時間的・金銭的なイニシャルコストは抑えられるためすぐにホームページの開設・運用が可能です。
自分で制作する
時間が許せば、完全無料で自社ホームページを作成することも可能です。
ホームぺージ制作を仕事にしている私としては、あまりおすすめのやり方ではありませんが…
頑張って作ってみた結果、なんとなくダサいサイトができてしまうというのはよくあることです。
勉強始めたての自分がそうでしたので。
自分で作成する場合はドメイン(URL)の契約や、画像やテキストなどをWeb上に保管するサーバーの契約も必須になります。
また、サーバーの契約を個別にする代わりに、ホームページ作成ツールに月額費用を支払うという方法もあります。
いずれにしても、自分で運営を行うのであれば初期費用0円・年間2万円以内の予算でも可能です。
自社で素材を用意する
デザインの素材をどれだけお客様の方で用意できるかは、WEBサイトの制作費用を抑える重要な要素になります。
デザインの素材には、写真や画像、ロゴマーク、テキスト文章などがありますが、すべてを業者に用意をしてもらうことで見積書の金額は上がってしまいます。
また、社内で写真撮影をしたり、テキストのライティングやキャッチコピーを考案することで、見積書の項目から除外することができます。
WEBサイトの制作費用を削減したい場合には、お客様の方も積極的に協力をすることが必要です。
ホームページ作成の目的を明確にする
ホームページを作成する目的を明確にすることで、費用を安く抑えられる場合があります。
プログラムやシステムとの連携が絡むような複雑な要件は、どうしても見積の金額が高騰します。
WEBサイト作成時には、本当に自社にとって必要な機能なのか?を見極めることが重要です。
目的を明確にすることで、不必要な機能の実装に余計な費用がかかってしまうことを防ぐことができます。
ホームページ制作がなぜこんなに高いのか まとめ
今回は、ホームぺージ制作でかかる諸々も費用や、作業に必要な工程の観点から、なぜホームぺージ制作は費用が高いのかについて解説してきました。
掲載したい情報や、実装したい機能、サイトの目的によって金額は大きく変動するため、それらを明確にすることで、費用を抑えることができたり、自社で作成しようと思っているホームぺージの相場がなんとなくイメージできるようになったのではないでしょうか。
その他にも、費用を抑えるために自社でできることもありますので、ぜひ実践してみてください。