ホームページは作成して終わりではなく、アクセス解析からユーザーの動きを参考に、改善していくことでより使いやすいサイトが完成します。
また、運用していく際にはこういった修正や改善だけでなく、中にはドメインの更新やサーバ契約の確認などの作業も含まれています。
頻繁に行う必要がある作業ではありませんが、だからこそ忘れがちな作業とも言えるでしょう。
こういった更新を忘れていると
・Webサイトが表示できなくなる
・メールが送受信できなくなる
・同じドメインの取得は困難
等のサイトの不具合につながります。
こういった状況にならないためにも、本記事では
・ホームページの運用で行う項目
・運用の大切さ
・外注する際の費用や注意点
と言った、ホームページ運用に関する内容について詳しく解説していきます。
Webサイトの運用とは?必要な作業内容について
必ず行う必要があるもの
ドメインの更新
ドメインを利用し続けるためには契約の更新が必要です。
取得したドメインには有効期限があり、有効期限は契約年数に応じて決まります。
ドメインを使い続けるためには、有効期限内にドメインを更新する必要があります。
もし有効期限を切らしてしまっても、一部のドメインは回復可能日数内であれば更新可能です。
更新しなかった場合
・Webサイトが表示できなくなる
・メールが送受信できなくなる
・同じドメインの取得は困難
サーバの契約更新
ドメイン契約更新と同じく、レンタルサーバー契約更新もよく忘れる作業の一つです。
特にドメインと違って、支払いを忘れても権利がなくなるわけではないので、ドメインよりは起こる頻度が高いのも事実です。
支払い忘れ、未更新で「サイトが消えた!」「どうすればいいの?」というケースもときどきありますので、契約更新には気をつけたいものです。
ドメインと同様に自動更新機能もあるため、不安な人は設定しておくと良いでしょう。
※契約する会社によって自動更新できない可能性もあります。
SSLサーバー証明書の更新も大切
SSL証明書の期限が過ぎてしまうと、ブラウザで注意や警告表示されてしまうため、影響が大きいです。
そんなうっかりでは済まされないSSL証明書の更新は必ず確認が必要です。
お問い合わせの対応
初めてホームページを訪れた人の気持ちを考えてみましょう。
ホームページを訪れた人は多くの場合、ホームページ(を運営している会社)を信頼していいのかどうか、不安を抱いています。
そんなお客様を実際の来店や商品を購入につなげるために重要になってくるのが、“ホームページからのお問い合わせ”への対応です。
ほとんどの場合、このときが“初めてお客様と接する場面”ですから、対応の仕方ひとつでお客様に与える第一印象が大きく左右されます。
トラブル発生時の対応
ホームページのトラブルとして一番緊急度が高いのは、「訪問者がホームページを閲覧できない」というもの。
原因はケースバイケースですが、そういった状態になった際にすぐに気づける仕組みを整えておくことが重要です。
例えば、ホームページが閲覧できない状態になったときに自動で関係者にメールを送信してくれるといったツールがあります。
社内のエンジニアチームや制作会社に相談し、そういったツールの導入や機能を付けてくれるよう相談しましょう。
想定されるトラブル発生時の対応内容を予め決めておくといざトラブルが起きた際に落ち着いて対応できます。
行うことで集客効果が見込められるもの
集客のために運用を行っていく場合は、ホームページの目的を明確にしましょう。
「新規顧客を獲得する」や「ブランディングする」など、目的はそれぞれあります。
この目的を設定することで、次にご紹介するターゲットが明確になり、より有益な情報を提供できます。
運用する際にも、目的をもう一度振り返り、目的に沿った業務を行うことを意識しましょう。
目的を決めたら、その目的のターゲットとなるユーザーが求める情報を発信しましょう。
このユーザーはペルソナとも呼ばれ、製品やサービスを購入するもっとも重要な人物像となります。
有益な情報を発信するためには、ペルソナを具体的に設定することが大切です。
ペルソナを具体的に設定することで、ユーザーの視点に立ち、ニーズを深掘りすることができます。
ターゲットとペルソナを具体的に決め、求める情報を明確にし、その情報をホームページに掲載するようにしましょう。
コンテンツの更新・ホームページのSEO対策
高品質なコンテンツを更新し続けることで、次第にサイトのボリュームも大きくなり、クロール頻度が増していきます。
クロール頻度が増すことにより、サイト内で更新された内容が、Googleにいち早く評価してもらえるようになります。
重要なのは「更新をすること」ではなく、「高品質なコンテンツを上げること」です。
サイト内に記事を追加したり、既存の記事に追記、またはリライトを加えることで、順位が上昇することがあります。
そのため、一見するとサイトを更新することによりSEOが改善されたように感じますが、実際はそうではありません。
これは更新したことへの評価ではなく、追加されたコンテンツ内容の評価が高まったことが要因となります。
社内からの依頼内容の管理
社内からの各種問い合わせ、報告への対応もホームページ運用業務のひとつ。
具体的な内容としては、コンテンツ更新の依頼、機能に対する要望、トラブル報告などです。
運用担当者としては
・上がってきた依頼内容の整理
・内容の重要度と、優先度を決める
・担当者・制作会社への連絡
を行っていくことが重要です。
SNSと連携して活用
マーケティングの一環として、いま注目されているのが“WebやSNS同士を連携させること”。
組み合わせて使うことで2倍もの成果につながることもあるのです。
WebサイトとSNSを連携させることで得られるメリットとしては、次の3つがあります。
・手軽に開始しやすく、無料でPR活動を行える
・SNSとWebの2軸からさまざまなユーザー層にアプローチできる
・消費者の口コミなどをUGCとして活用しやすい
ホームページを連携させることでサイテーションによる検索順位のアップ、アクセス数を獲得できます。
そのため、企業でSNS運用を行う際に、SNS同士やWebサイトと連携するケースが増えてきているのです。
広告運用
テレビCMや新聞広告などのマスメディアとは異なり、Web広告は個人でも気軽にスタートできるため、比較的小規模な会社でも広告配信のハードルが低いのが利点です。
Web広告の運用というと、数字の並ぶ管理画面やアクセス解析データの分析など難しい作業が必要なのではと考える人も多いのですが、実はやるべきことはとてもシンプルです。
個人や中小企業のサイトであれば、Web広告は自社での運用も可能となっています。
広告運用のためには
・誰にどうやって商品の魅力をPRするか
・広告予算を決める
・広告を出稿するキーワードを決め、広告内容を決める
などの準備が必要になります。
ホームぺージの運用でやっておいた方が安全なこと
データのバックアップ
ホームページにおけるバックアップとは、すべてのホームページデータのコピーです。
定期的にデータをバックアップしておくことで、万が一ホームページが損失した際にすぐにホームページを復元できます。
バックアップの重要性は大きく3つです。
・最初からすべてを再作成する必要がある
・復旧中のホームページ収益の損失
・ホームページ再構築中の時間損失
ホームページのバックアップをしなかった場合は、1からすべてのコンテンツを再作成しなくてはいけません。
ホームページ構築には、多大な時間と労力がかかります。
時間と労力は、ホームページを運営している時間が長くなるだけ倍増します。
ホームページのバックアップを怠ると、一晩で自社ホームページを失うことになってしまう危険性があるということです。
また、ホームページを制作会社等に依頼して制作した場合は、すべてをやり直すために誰かを雇わなければならない可能性もあります。
ホームページのバックアップは、定期的に実行する必要があります。
CMSのアップデート
ホームページがCMSで作られている以上、(コンテンツ管理システム)そのCMSを定期的に更新をしなければなりません。
当然人々が完璧ではないかのように、完璧な製品と完璧なCMSもありません。
すべてのCMSは、異なる要素を有し、それらは最適化され、時代とともに変化していきます。
もちろん、その時主流のものが主流ではなくなり、亜流のものが主流になったりもしますね。
特にデジタル製品・ITサービスは、常に新しい機能を取り入れて、常に進化するものです。
更新をしっかりと行うことで、安全性の向上や、技術的な問題が改善されていきます。
Webサイトの運用が大切な理由
企業においてWebサイトは集客に必要なメディアの1つで、情報発信や顧客との接点のチャネルという重要な役割があります。
勿論、結果に繋がる上手な運用が前提となりますが、自社でwebの情報チャネルを持ったり活用する意味は大きいといえます。
実際の活用におけるポイントはいくつかありますが、1つはコストにあたる費用で、小さく抑えつつ結果を大きくすることが大切です。
訪問者は最新情報を探している
たとえば、あなたがお客さまの企業情報を知るためにWebサイトを訪問したとします。
しかし、Webサイトは更新されておらず古い情報がそのままになっていたとしたら、どこで最新情報を得れば良いでしょうか?
このように近年では、インターネットで調べものをすることが一般的です。
よって、Webサイトで最新情報を届けることを怠っているとしたら、非常に問題のある状況です。
更新がされておらず必要な情報が得られないWebサイトは、顧客からの信用を失ってしまうということを覚えておきましょう。
Webサイトはユーザーとの関係を構築し継続させるために必要
Webサイトは膨大な情報をユーザーへ届けることができます。
よって、「このWebサイトにアクセスすれば、いつも欲しい情報がある」とユーザーに認知してもらうことができれば、繰り返しユーザーが訪問してくれるようになり、信頼関係を築く場として活用することができます。
ユーザーが探している情報を常に適切に提示することで、良い関係を継続させることが可能となります。
Webサイトは解析と改善を続け育てていくもの
Webサイトは常に解析と改善を繰り返し行い、よりよりWebサイトへ成長させていく必要があります。
Webサイトの現状を確認せず放置されている状態では、Webサイトは成長しません。
アクセス解析ツールを使用することで、訪問したユーザーの動きを把握できWebサイトの改善点が見えてきます。
運用業務を外注する場合
相場と運用内容のイメージ
運用業務を外注する場合の費用は、何をどこまで依頼するかによって変動します。
自社運用担当者の作業として吸収できるものを増やすと、運用費用を抑えられることが多いです。
スキルや割ける時間、社内人件費との兼ね合いを考えながら依頼内容を考えることが重要です。
大まかな相場と内容としては、下記になります。
・5千円〜2万円 | 更新作業の頻度が月数回程度の簡易な運用
・2万円〜5万円 | 月次のレポート、集客アドバイスなど更新作業以外の成果物も提供
・5万円以上 | 本格的な集客コンサルティングや施策の実施が提供される運用
相場早見表
ホームページの管理費は、月額1万〜5万円程度が相場です。ボリュームゾーンでいうと、月額1万円~2万円がメインです。
自社で更新・管理を行う場合
サーバ費用 | 数百円~3000円程度 |
---|---|
ドメイン費用 | 数百円~500円程度 |
SSL費用 | 無料~5000円程度 |
最低限の更新・管理を委託する場合
サーバ費用 | 数百円~3000円 |
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ドメイン費用 | 数百円~500円 |
SSL費用 | 無料~5000円 |
外注の管理費 | 5000円~20000円 |
ある程度しっかり更新・管理を委託する場合
サーバ費用 | 数百円~3000円 |
---|---|
ドメイン費用 | 数百円~500円 |
SSL費用 | 無料~5000円 |
外注の管理費 | 20000円~50000円 |
集客に力を入れて外部委託する場合
サーバ費用 | 数百円~3000円 |
---|---|
ドメイン費用 | 数百円~500円 |
SSL費用 | 無料~5000円 |
外注の管理費 | 50000円以上 |
業務内容・対応頻度・費用を契約書に明記する
ホームページの運用として何をどこまで依頼するかを契約書に明記することが大切です。
業務内容
専門的な知識が必要なものや、自身でも対応できるが時間を取られるものに関しては、外注する業務の候補としては優先度が高くなります。
依頼する内容を細かく定義しておくのは当然として、月次の運用レポートを提出してもらえるかや、改善施策提案の有無も明確に定義しておきましょう。
対応頻度
1ヶ月あたり何回まで実作業を行ってくれるのか、専門的な箇所に関する相談ができるか、という対応頻度の取り決めは重要です。
「月最大〇回/合計△時間までの対応」といった風に、制作会社が提供するホームページの運用サービスにおいては回数や時間で上限が設けられていることが多くなります。
費用
制作会社側が提供する運用サービスの料金体系は、月額固定、もしくは発生作業ベースで定められています。
月額固定の場合は、内容・回数・時間の上限が設けられていることが多くなります。
また、発生作業ベースの場合は対応してもらう依頼内容の種類や上限は細かく気にしなくてもよくなります。
しかし、結局いくら運用に掛かるのかという予算が立てにくいというデメリットはあります。
免責事項を明記する
制作会社がホームページ運用の代行を提供する場合、「トラブルがあってホームページを閲覧 / 利用できない時間帯が発生したことによる損害」は免責事項としてほぼ漏れなく記載されています。
また、もしホームページのコンテンツ作成や更新作業の代行をするのであれば、「ホームページに掲載されたテキスト・画像の内容により生じた損害」も免責事項に記載されるでしょう。
ホームページの運用は、トラブルが起きた際の影響範囲が非常に大きくなりうる種のものも含まれています。
運用を外注する場合は、依頼内容とそれらに対する免責事項を外注先とお互い細かく定義しておきましょう。
ホームぺージの運用で必要な11項目と効果的なやり方について まとめ
ホームぺージの運用と言ってその作業量は多く、Webの知識がなければ担当者の負担は大きくなります。
自社で対応できる作業と外注で依頼する作業を分けることで、費用を安く抑えることもできます。
定期的なメンテナンスを行うことで、安全性が高まり、適切な運用は自社にとっても沢山のメリットがあるので、上手に活用していくことが大切です。