近年、ホームページを持つ農家が増えてきました。
この記事を見ている方も、ホームページを検討しているのではないでしょうか。
農家にとってホームページの活用は、作物のPRのほか、販売、新規販路の開拓、ブランディングなど、さまざまな効果が期待できる戦略です。
少し前から農業の世界ではJA離れがトレンドとなっており、自分のこだわりの野菜や果物などの作物を直売するという農家が増えています。
本記事では
・農家がホームぺージを持つことの必要性
・ホームぺージを作成することで得られるメリット
・ホームぺージを作成時におさえるべきポイント
についてわかりやすく解説していきます
ホームぺージの必要性
農業従事者の減少、人手不足を補うため
現在、農業従事者の数は後継者の不足や地方の過疎化等が原因となり減少傾向にあり、高齢化の問題もあります。
限られた人員で効率良く仕事をするためには、農産物を育てて出荷するだけではなく、販路の確保をする事が大切な仕事の一部となってきています。
その “販路を確保する” 部分においてインターネットを活用し、自分達で作った農産物をより多くの消費者にPRをすることを目的に「ホームページ」を作る農家の方が増えており、現在は多くの農家が自身のホームページで販売促進を行っています。
新たに農業を始める方へのきっかけづくりのため
近年、定年退職後に農園を開いたり、オーガニックにこだわった有機野菜を自ら栽培することに興味をもったり、中には若い人が集まって出資し農園を作ったりと、新しく農業に従事する人が増えていきています。
そういった方が農業に参入するきっかけとして、地方の農業事情を発信し地域の農産物や地域の特性などを知ってもらうためにもホームページ作成は有効だと思われます。
こんな人にもおすすめです
・農産物のおいしさ、品質をアピールし知名度・ブランド力をあげたい
・農業にかけるこだわりや思いを知ってほしい
・販売経路を増やし、収益をアップさせたい
・消費者や取引先との信頼関係を作りたい
ホームぺージがあることのメリット
名刺や看板がわりに使える
ホームページはいわばインターネット上の名刺や看板です。
ホームページを作ることで会ったことのない人にまで会社のことを知ってもらえます。
農園に連れてこれない距離の人に営業したいときも、ホームページを使って紹介することができます。
知名度の向上と販路の拡大が目指せる
インターネット普及率を見て分かる通り、80%以上の人がインターネットを利用して、ホームページを閲覧しています。
多くの方は、常にインターネット上でホームページをチェックしているのです。
ホームページ作成の大きなメリットは、世界中の人に自分の作物を知ってもらえることです。
イベントや直売所などを活用してURLやQRコードを知らせれば、より多くの人にホームページを訪れてもらえるでしょう。
ホームページ上で作物や関連商品などを販売することも可能です。
通常なら販売対象にならない遠方の顧客への販売も可能なので、販路拡大と潜在顧客への露出も増えます。
ホームページは、レストランやスーパーマーケットなどとの直接契約のチャンス拡大に欠かせないツールともいえます。
信用力が上がる
同業の会社でもホームページのある会社とない会社であれば、ある会社の方が信頼されやすいです。
特にコンセプトやサービス・商品の詳細をしっかり説明しているホームページは信頼されます。
良いホームページはそれだけで企業のイメージを向上させ、会社の顔となり、看板になるのです。
情報発信拠点を持てる
顧客とのコミュニケーションを図れる点も、ホームページを作る大きなメリットです。
ホームページは、自分の作物のアピールはもちろん、農業法人であれば、企業としてのコンセプトや経営理念の発信、ディスクローズ(経営内容に関する情報を公開すること)などの場として使えます。
ホームページがあれば、遠く離れた人たちにも農園の様子を伝えられるので、消費者や取引先の安心・信頼につなげられます。
ホームページ上に問い合わせ機能やコメント欄を設ければ、閲覧者からの感想や疑問に対してすぐに返信できるようになるので、より信頼関係が深まるでしょう。
メディアからの問い合わせを逃すこともありません。
問い合わせやお客様の声を逃さない
問い合わせ窓口を電話だけにしておくと、常に電話対応しなくてはなりません。
ホームページを作る事で、お客様がいつでもメールで問い合わせする事ができます。
畑にいながら問い合わせを受け、夜に返信するということができるようになります。
また、問い合わせ窓口を設置することで、メディアからの問い合わせやお客様からの声を逃すことがありません。
社員のやる気向上、人材採用に繋がる
ホームページがあると、会社らしさが出ます。
社員も、「勤めているところはこんな会社なんだ」と周りにページを見せることができるのは嬉しいものです。
また、近年仕事をインターネットで探す人が増え、会社のホームページもチェックするようになっています。
求人誌で自店や会社を知った場合でも、ホームページを見てから応募するかどうかを判別すると言うケースも多々ありますよね。
そして、ホームページをしっかり読み込んでから応募してくる申込者の方が真面目で仕事に熱心な方が多いとも聞きます。
ホームページがあることで情報を正しく伝え、良い人材を採用することができます。
「ホームページを持っている農家は少ない」からこそ作るべき
実際にホームページを作成している農家は、まだまだ少ないのが現状です。
ホームページを持っていたとしても情報が乏しく、メリットを活用しきれていないケースが少なくありません。
まだ競合が少ないからこそ、内容が充実したホームページを作れば消費者や飲食店の目にとまり、コミュニケーションや販路拡大の機会を得られやすいといえます。
もちろん、ホームページを開設することですぐに販路が拡がるとは言い切れません。
しかし、農家や農園の評判を耳にした人は、まず検索エンジンで調べてみる時代です。
その受け皿として、内容がしっかりしたホームページを持っていれば、強みの1つとなるでしょう。
集客には対策も必要
しかし、つながりのある人々へホームページの存在を知らせ、拡散してもらうだけでは、露出量に限りがあります。
野菜や果実、米や、農家のオリジナルの加工品に興味のあるユーザーが、検索エンジンに入力するであろうキーワードをホームページに盛り込む、といったテクニックも必要です。
適切なSEO対策を施すことによって、農業や農家のこだわりに共感するユーザーをとらえることが可能になります。
ただし、SEO対策には知識も労力も必要です。できたら専門家に相談した方がよいでしょう。
営業ツールとして運用できる
自社のホームぺージは休む事なく24時間365日無休で働いてくれます。
自分が畑仕事をしている時でも寝ている時でも休まず営業してくれる最高の営業マンでもあります。
特に、これから新規就農する人なんかは、既存の農家と対等に戦えるように、自分が届けたいこだわりや商品の魅力などを届ける大きな武器にする事ができます。
ホームぺージ作成時におさえるべきポイント
メインビジュアル
メインビジュアルとは、主にホームページのトップにあるイメージ画像のことです。
ホームページを開いた瞬間に、最初に目に付くことから「ファーストビュー」と呼ばれることもあります。
メッセージ性のあるキャッチコピーが掲載されていたり、直感で「これは何のホームページなのか?」イメージすることができます。
ほかにも企業名やロゴマーク、サービスの説明なども掲載されています。
コンセプト
ホームページは、インターネット上におけるお店の名刺ともいえます。
住所や電話番号、営業時間などお店の基本情報は、もれがないように注意しましょう。
そのうえで、他の農家との違いや強みを紹介していくと良いです。
ホームページを見る人に、自社のこだわりがしっかり伝わるようにすることがポイントです。
こだわりを、わかりやすく覚えやすいキャッチコピーにしても面白いですね。
サイト構成について
ホームページで収益を上げるためにはブランディング戦略が必須です。
ブランディングとは、農業でいえば作物や農園の優れたイメージを消費者に印象づける取り組みのことです。
ホームページを訪れた人に好印象を与えるためには、以下のような要素を盛り込むといいでしょう。
・農産物へのこだわり
・農産物の育っている地域情報
・農家の熱い思い、農家・会社の成り立ち
・店舗の営業時間・アクセス
・作物や農家、農園の画像
・ブログなど、こだわりや魅力を発信できる場
・問い合わせフォーム
・よくある質問(FAQ)
・SNSなどの外部サービスとの連携
これらは、信頼感の醸成や新規の取引先を開拓するのに欠かせない要素です。
また、検索上位に出てくる競合サイトをよく見比べると、上位に表示される共通点である成功の秘密が隠されています。
その中でもあなたが「こんな感じの素敵なホームページが作れたらいいのになぁ~」と思ったホームページをじっくり研究してみてください。
人気のある農家さんのホームページでよく見かけるのは、
・新鮮さ、美味しさが溢れでてくるような農産物
・農業を楽しむニコニコ笑顔の農家さん家族や従業員たち
・目を引くキャッチコピー
・分かりやすい説明文章
・見やすく使いやすいメニューバー
・全体的にシンプルでわかりやすいデザイン
あなたの理想のイメージに近いホームページを見つけることで、作成する際の良いヒントにできます。
他農園との差別化がポイント
農産物を紹介・販売するサイトは近年増えてきていますので、他との差別化していくことが大切になります。
実際の味や美味しさは購入してみないとわかりませんので、消費者の方にとってプラスαの情報となるようなもの載せることもひとつの方法です。
例えば、
・農産物を使って作る地域の郷土料理のレシピを載せる
・ブログに作業風景やその時々の畑の様子をアップする
など。
生産者の人柄や農園の様子がわかるようなものをホームページに載せると消費者の安心につながります。
対応には注意
ホームページを作成すると、顧客からの問い合わせの電話やメールなどが増えると思います。
もしネットで販売もしている場合は「傷んでいた」「思っていたサイズと違う」「ネットで見たものと色が違う」など、生鮮品ならではのクレームや苦情も考えられます。
対面ではない分、消費者は生産者の普段の電話やメールの文面、クレームの対応から生産者(販売者)の印象を強く受けますので、問い合わせに丁寧に対応することはもちろん大事です。
そして、生産者側の不備に対しては再発しないような具体的な対策をとることや、ホームページ作成の段階では、販売画面にあらかじめ「多少の色形の違いは了承いただきたい旨」の一文を付け加えることを考慮してください。
新鮮な美味しいものを食べたいという思いだけではなく「信用」ができるから、といった理由で農家のホームページへ直接問い合わせをし購入する人がほとんどです。
ホームページを訪れた消費者の気持ちに丁寧に応えることが大切です。
農家ブログから流入を増やす
農家さんの何気ない日常を発信するのが「農家ブログ」です。
農家ブログで発信する内容は、日々の農作業や農産物の生育状況、農産物を使ったご飯やペット情報などの何気ない日常。
農産物のこだわりばかりでも、家族やペットのことばかりでは訪問者は飽きてしまいます。
発信する頻度や情報内容のバランスを考えて、コマメに更新しましょう。
スーパーで売られている農産物は誰がどのように作っているのか顔が見えません。
ネットショップで農産物を購入してくれる理由は、作り手の顔やこだわりがわかるからです。
安心・安全な信頼できるものを美味しく食べたいと消費者は思っているのです。
農家ブログは、消費者へ安心・安全を感じてもらうための最適な手段です。
畑の写真・動画配信
販売している農産物の成長過程を、写真や動画で発信するホームページが人気です。
購入した農産物がどのように成長し、自分の食卓へと届けられるのかを知ることができるからです。
農産物と農家さんに対する安心と信頼につながり、成長していく様子を見に何度もホームページを覗いてくれます。
農家さんが作るレシピやマメ知識
農家さんが自分で作った農産物で作る自宅の食事レシピは、とても人気がありみんな興味津々です。
農家さんにとっては普段何気なく調理している料理は、特別なメニューには感じないかもしれません。
しかし「農家さんは、素人が知らない美味しい食べ方を知っているはず!」と、私たちは思っているのです。
料理のレシピだけではなく、美味しさを長持ちさせる保存方法やできるだけ無駄のない切り方のような、いつも当たり前にやっている農家さんのマメ知識でいいんです。
農家さんにとって日常の当たり前が、ホームページでの立派なお宝情報になります。
農家さんのおすすめ道具(重機、肥料、ワーク服など)
農家さんが愛用している便利な機械や道具、機能性バツグンのワーク服などのおすすめ情報を発信してみるのも良いでしょう。
家庭菜園を趣味にしている人は、プロの農作業道具やワーク服に興味があります。
子どもから大人まで働く車が好きな方も多いですし、精密な動きをする重機やマイナーな働く機械が好きな人もたくさんいます。
農業とは無縁の人でも、もしかしたら「働く 機械 農業」で検索をしてあなたのホームページにたどり着くかもしれませんよ。
何をきっかけにあなたのホームページにたどり着くのかはわかりません。ホームページの可能性は無限です。
ホームぺージを作成するなら
ホームぺージ制作を依頼する際に、フリーランスの方にお願いして安く作るか、せっかくなら制作会社に依頼してしっかりとしたものを作るかでお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
制作したいWebサイトの内容・仕様や、制作会社またはフリーランスとの繋がり方・関係にもよりますが、無難なのはWeb制作会社です。
一方でフリーランスは信頼できる人材の発掘が困難ではあるものの、繋がることができれば、コミュニケーションの取りやすさや柔軟な対応、価格の安さなど制作会社を上回る大きなメリットがあります
ホームページ制作会社へ依頼
農業に関するホームページを多数制作した実績があれば、当初イメージしていたホームページよりも良質なものが作れると期待できます。
経験を積んだプロに依頼するため高いクオリティと満足度が得られますが、その分高額になることも忘れないでください。
フリーランス・個人に依頼
フリーランスにホームページ制作を依頼する場合、基本的には価格を安く抑えられることがメリットです。
Web制作会社に依頼をすると小規模なサイトで10万円、大規模なものになると200万円もの余分な人件費がかかってしまいます。
フリーランスの場合、制作を依頼したい人を自由に選べます。
実績や制作期間、人柄など希望する条件にマッチする人に自由に依頼できるので、ミスコミュニケーションが起こりにくく、希望通りに制作が進みやすいと言えます。
農家にホームページは必要?作成するメリットと制作時の注意点について まとめ
農業にホームページを活用することで、農家の宣伝や新たな販路の開拓、ブランディング、売り上げなどにおいて、さまざまな効果が期待できます。
コンセプトや予算を明確に組み立て、魅力あるホームページを作成しましょう。